国際女性企業家コンテスト2024で準グランプリを受賞
2024/12/01
保育士が笑顔なら、子どもたちも笑顔になる
「保育士きずなプロジェクト」に込めた想い
2024年11月、「第2回 国際女性企業家コンテスト」に出場し、「保育士きずなプロジェクト」についてプレゼンテーションを行いました。
10名の女性企業家が90秒でそれぞれのビジネスモデルを発表し、審査員と約400名の来場者による投票の結果、準グランプリに選んでいただきました。
私がこの舞台で伝えたのは、
「保育士さんが笑顔で働き続けられる環境をつくりたい」
という想いです。
子どもたちの幼少期に、家族と同じくらい長い時間を一緒に過ごすこともある保育士さん。
子どもたちの未来を考えるなら、子どもだけではなく、そのすぐそばにいる保育士さんが安心して働ける環境をつくることも、とても大切だと私は考えています。
保育士さんは、子どもの人生の土台をつくる大切な存在
私はこれまで、子育て支援や子育てコーチングを通して、多くの親子や保育士さんなど、子どもの育ちに関わる方々と出会ってきました。
その中で改めて感じるのが、保育士さんの存在の大きさです。
幼少期の子どもたちは、家庭だけでなく、保育園やこども園で一日の多くの時間を過ごします。
一緒に遊び、食事をし、泣いたときには寄り添ってもらう。
友達との関わり方を学んだり、「できた!」という瞬間を一緒に喜んでもらったり。
保育士さんは、子どもの人生の土台がつくられる大切な時期に、毎日のように関わっています。
だから私は、保育士という仕事は、もっと社会から大切にされ、評価されていい仕事だと思っています。
そして、保育士さん自身が笑顔で子どもたちに向き合える環境をつくることは、子どもたちの健やかな成長にもつながっていくと考えています。
「辞めたい」と言ったときには、もう限界になっている
保育士さんたちと関わる中で感じてきたことがあります。
それは、困ったことや悩んでいることがあっても、なかなか職場では言えないということです。
人間関係のこと。
仕事量のこと。
子どもとの関わり方のこと。
保護者対応のこと。
「こんなことで悩んでいると思われたくない」
「周りも頑張っているから」
「園長先生や同僚には言いにくい」
そうやって小さな違和感や悩みを抱えながら、我慢を重ねてしまう。
そして、ようやく「辞めたい」という言葉が出たときには、すでに本人の中では限界を迎えている。
そこまでいってから慌てて話を聞くのではなく、もっと手前で支えることはできないだろうか。
そこから生まれたのが「保育士きずなプロジェクト」です。
職場の外に、「ちょっと聞いてほしい」と言える人を
保育士きずなプロジェクトでは、保育士さんが職場の人には話しにくいことも、気軽に吐き出せる環境をつくります。
大きな問題になってから相談するのではなく、
「今日ちょっとしんどかった」
「最近、あの先生との関係に悩んでいる」
「この子への関わり方が分からない」
そんな小さな段階で話せる相手が、職場の外にいる。
それだけでも、一人で抱え込まずに済むことがあります。
そして必要に応じて、本人の話を聞くだけではなく、園側とも連携しながら、より働きやすい環境を考えていきます。
目指しているのは、問題が起きてから対応することではありません。
保育士さんが限界になる前に、小さなSOSを受け取れる仕組みをつくること。
それによって、「突然の退職」という結果になる前にできることを増やしたいと考えています。
苦手を直すのではなく、一人ひとりの特性を活かす
もう一つ、保育士きずなプロジェクトで大切にしているのが、一人ひとりの「特性」を知ることです。
同じ保育士でも、得意なこと、苦手なことは違います。
子どもと遊ぶことが得意な人。
保護者とのコミュニケーションが得意な人。
制作物を考えるのが好きな人。
行事を企画したり、みんなをまとめたりすることが得意な人。
一方で、細かな事務作業が苦手だったり、大人数をまとめることに強い負担を感じたりする人もいます。
それをすべて「できるようにならなければいけない」と考えるのではなく、
その人が持っている特性や強みを理解して、できるだけ活かせる業務や役割を考えていく。
一人ひとりが力を発揮しやすい配置や関わり方を園側にも提案することで、本人の負担を減らすだけでなく、園全体のチームづくりにもつなげていきたいと考えています。
「この子、どうしてこんな行動をするんだろう?」を減らしたい
そして、保育士さん自身が子どもの発達について学ぶ機会を増やすことも、このプロジェクトの大切な柱です。
子どもの中には、得意なことと苦手なことの差が大きかったり、集団行動が難しかったり、感覚に敏感だったりと、さまざまな発達の凸凹を持つ子がいます。
そうした知識がないまま関わっていると、
「どうして何度言ってもできないんだろう」
「どうしてこの子だけ座っていられないんだろう」
と、保育士さん自身が困ってしまうことがあります。
でも、その行動の背景にある発達や特性を知ることで、
「困らせている」のではなく、「この子自身が困っているのかもしれない」と見方を変えることができます。
子どものことを理解できれば、関わり方の選択肢が増える。
そして、保育士さん自身の「どうしたらいいの?」という負担も減っていきます。
だからこそ、発達の凸凹や子育て、コミュニケーションなどについて学べる研修も、保育園に届けていきたいと考えています。
国際女性企業家コンテストで準グランプリを受賞

今回、「第2回 国際女性企業家コンテスト」では、この「保育士きずなプロジェクト」についてプレゼンテーションを行いました。
保育士さんが悩みを抱え込んで限界を迎える前に、職場の外に話せる人をつくること。
一人ひとりの特性や強みを理解し、それぞれが力を発揮しやすい環境をつくること。
そして、発達や子育てについて学ぶことで、保育士さん自身が子どもとの関わりに自信を持てるようにすること。
その取り組みを評価していただき、準グランプリを受賞することができました。
また、同イベントでは「日本育児貢献大賞」もいただきました。
これまで取り組んできた子育て支援と、これから実現したい未来を評価していただけたことを、とても嬉しく思っています。
保育士を支えることは、子どもを支えること
私は、すべての子どもたちが「生まれてきてよかった」と思える社会をつくりたいと思っています。
そのために、子どもたちに何を教えるか、どんな教育を届けるかを考えることも、もちろん大切です。
でも同じくらい大切なのが、
その子どもたちのそばにいる大人が、どんな状態でいるか。
だと思っています。
保育士さんが毎日いっぱいいっぱいの状態で子どもたちと向き合うのと、安心して、自分の仕事に誇りを持ち、笑顔で向き合うのとでは、子どもたちが受け取るものも変わります。
だから、子どもたちを支えたいなら、育てる人も支えたい。
困ったときには一人で抱え込まずに誰かに話せる。
自分の苦手なところばかりを見るのではなく、自分の強みを活かして働ける。
そして、目の前の子どものことを理解し、自信を持って関われる。
そんな環境を、保育園と一緒につくっていきたいと思っています。
育てる人が笑顔になれば、その笑顔は子どもたちへつながっていく。
保育士きずなプロジェクトを通して、保育士さんが「この仕事を続けていてよかった」と思える環境を増やし、子どもたちが安心して育っていける社会をつくっていきます。


