褒育者マルシェ開催報告|大阪・ATCに200名が来場。子どもを支える人へ感謝を届ける一日に
2026/09/30

執筆:工藤いずみ(一般社団法人sunnysmile協会 代表理事/NPO法人ぴこはな 理事長)
2026年9月27日、大阪・ATC ITMホールで、第1回「褒育者マルシェ」を開催しました。
褒育者マルシェは、保育士をはじめ、子どもに関わる人たちへ感謝を届け、保育者自身が学び、癒され、人とつながり、自分自身を大切にするきっかけをつくるイベントです。
一般社団法人sunnysmile協会とNPO法人ぴこはなが共同で主催し、当日は200名の方にご来場いただきました。
私も「あなたの関わりが、子どもの未来をつくっている」をテーマに登壇。保育者のみなさんが日々行っている何気ない関わりの価値と、子どもを支える人自身も大切にされる社会をつくりたいという想いをお伝えしました。
終わった今、いちばんに浮かぶのは、
「人間って、すごいな」
という気持ちです。
来場者、出店者、登壇者、学生スタッフ、そして何か月も準備を重ねてきた運営メンバー。
一人ひとりの力は小さく見えても、それぞれの「できること」が重なることで、こんなにも大きな場をつくることができる。
その景色に、胸がいっぱいになった一日でした。
褒育者マルシェとは? 保育者自身を大切にするきっかけをつくるイベント
「褒育者(ほういくしゃ)」は、「保育者」に「褒める」という意味を込めた言葉です。
子どもたちの毎日と未来を支えている保育者へ、もっと感謝とねぎらいを届けたい。
そして、保育者自身にも自分の仕事に誇りを持ち、自分自身を大切にしてほしい。
そんな想いから、褒育者マルシェは生まれました。
今回のテーマは、
「学び、癒し、つながり。あなたへご褒美時間を」
保育や発達について学ぶだけではなく、心や身体を癒したり、同じ想いを持つ人とつながったりする時間も大切にしました。
私たちが目指しているのは、保育者に「もっと頑張って」と伝えることではありません。
子どもを大切にしている人自身も、大切にされていると感じられること。
NPO法人ぴこはなの保育事業でも、「子どもたちのために、まずは保育者の笑顔を」という考えのもと、保育者が安心して学び、つながり、自分らしく働ける環境づくりに取り組んでいます。NPO法人ぴこはなの保育事業について
褒育者マルシェも、その活動の一つです。
第1回「褒育者マルシェ」開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | 第1回 褒育者マルシェ |
| 開催日 | 2026年9月27日(日) |
| 会場 | 大阪・ATC ITM棟12階 ITMホール |
| 共同主催 | 一般社団法人sunnysmile協会/NPO法人ぴこはな |
| 来場者数 | 200名(主催者集計) |
| 開催テーマ | 学び、癒し、つながり。あなたへご褒美時間を |
| 開催目的 | 保育関係者へ感謝を届け、保育者自身が自分を大切にするきっかけをつくること |
開催前にはプレスリリースも配信し、53のメディア・ニュースサイト等に転載されました。NPO法人ぴこはなでは、出店者とのInstagramライブなどを通じて、イベントだけでなく、一人ひとりの保育への想いや活動についても発信を重ねてきました。褒育者マルシェのプレスリリース転載実績について
私は一般社団法人sunnysmile協会の代表理事、NPO法人ぴこはなの理事長として、この取り組みに携わりました。
「次は自分も関わりたい」という声が生まれた一日

当日は、スタッフとじゃんけんをして回る子どもたち。
その様子を優しい表情で見守る出店者のみなさん。
それぞれの経験や想いをステージから届けてくださった登壇者のみなさん。
会場のさまざまな場所で、人と人が自然につながっていく姿がありました。
出店者からは開催への感謝や次回を楽しみにする声が寄せられ、来場者からも、
「次は運営を手伝いたい」
「今度は自分も出店したい」
という声をいただきました。
また、保育士を目指す学生スタッフのみなさんからも、活動を楽しみ、また参加したいという声がありました。
私は、この変化がとてもうれしかったです。
最初は「参加する人」だった方が、
「次は自分も、この場をつくる人になりたい」
と思ってくれる。
支えられた人が、今度は誰かを支える人になる。
これは、NPO法人ぴこはなでも、私自身の活動でも大切にしている「愛と安心がめぐる循環」そのものだと思っています。

約3年の積み重ねと、保育事業チームがつないだ力
今回の褒育者マルシェは、突然生まれたイベントではありません。
その背景には、sunnysmile協会の保育事業として約3年間続けてきた活動があります。
これまで事業に携わってきたメンバーが、保育者や支援者とのつながりを一つずつ育ててきました。
そして、その土台を受け継ぎ、今回の準備と運営を中心となって進めたのが、保育事業チームです。
会場選び。
出店者との面談。
近隣の保育園へのチラシ配布。
出店者の人柄や活動を知ってもらうためのInstagramライブ。
数か月にわたり、一つひとつ準備を積み重ねてくれました。
そしてチームをつくり、仲間を信じ、当日の運営まで走り切ってくれました。
その姿を見ながら、私は改めて、
人は、機会と仲間があれば、持っている力をもっと発揮できる。
ということを感じました。
一つひとつの行動は、その瞬間には大きな成果に見えないかもしれません。
それでも、人とのつながりを大切にしながら積み重ねてきたものが、今回の200名の来場につながりました。
そしてこれは、私が「子育ては究極の人材育成」と考える理由ともつながっています。
人を育てることは、何かを一方的に教えることではない。
その人がもともと持っている力を信じ、発揮できる環境をつくること。
子育ても、組織づくりも、地域づくりも、その本質は近いのではないかと私は考えています。
工藤いずみの登壇「あなたの関わりが、子どもの未来をつくっている」

当日、私は、
「あなたの関わりが、子どもの未来をつくっている」
というテーマでお話ししました。
伝えたかったのは、新しい保育技術ではありません。
保育者のみなさんが毎日当たり前のようにしていることが、どれだけ大切なことなのか。
その価値を、改めて感じてもらいたいと思いました。
朝、名前を呼んで迎える。
泣いている子のそばにいる。
話に耳を傾ける。
できた瞬間に、一緒に喜ぶ。
保育者にとっては「いつもの一日」かもしれません。
でも、その一日一日を積み重ねながら、子どもたちは育っていきます。
「どう関わってもらったか」も、子どもの経験になる
子どもにとって大切なのは、「何を教えてもらったか」だけではありません。
私は、「どう関わってもらったか」も、その子の大切な経験になると考えています。
失敗したときに待ってくれたこと。
困ったときに話を聞いてくれたこと。
できたときに一緒に喜んでくれたこと。
もう一度挑戦する機会をつくってくれたこと。
一つひとつを大人になって覚えているかどうかは分かりません。
それでも、子どもが人との関わり方や自分自身について学んでいく大切な時期に、保育者のみなさんは毎日そばにいます。
保育者は、子どもの「今」だけではなく、未来につながる毎日に関わっている。
だからこそ私は、保育者という仕事は、本当に大切な仕事だと思っています。
「この子には、この子なりの感じ方がある」
同じ言葉をかけても、すぐに動き出す子もいれば、少し周りを見てから動く子もいます。
自分の気持ちを強く表現する子もいれば、静かに周囲を観察している子もいます。
そこで大切なのは、
「どうしてこの子はこうなの?」
だけで終わるのではなく、
「この子には、この子なりの感じ方や理由があるのかもしれない」
と考えてみること。
子どもを一つの型に当てはめるのではなく、その子を知ろうとする。
大人の「見方」が変わることで、声のかけ方や待ち方、関係性も変わっていくことがあります。
私は発達心理学やコミュニケーションについて伝える活動の中でも、この「相手を理解しようとする姿勢」を大切にしています。
保育者自身も、大切にされていい
そして、もう一つ伝えたかったことがあります。
日々の関わりが大切だからといって、
「だから、もっと頑張ってください」
と言いたいわけではありません。
先生も一人の人間です。
余裕がない日もあれば、うまく関われない日もある。
言いすぎてしまうことだってあります。
そんなときは、謝って、もう一度つながればいい。
大人も間違えることがある。
そして、関係はやり直すことができる。
そんな姿もまた、子どもにとって人との関わりを知る経験の一つになるのではないでしょうか。
子どもに、
「困ったら言ってね」
と伝えている保育者のみなさん自身も、困ったときには誰かを頼っていい。
子どもに、
「自分を大切にしてね」
と伝えている大人自身も、自分を大切にしていい。
だからこそ、今回のマルシェでは、
「学び、癒し、つながり。あなたへご褒美時間を」
というテーマを掲げました。
気になるブースに立ち寄り、誰かと話し、笑い、自分自身のために楽しむ。
そんな一日を届けたいと思ったからです。
子どもを支える人が、誰かに支えられることも当たり前に。
これが、私の登壇と褒育者マルシェに共通する想いです。
「子どもを支える人を支える」輪を、次へ
私は、
「子育ては究極の人材育成」
という考えのもと、子どもを育てる過程で大人自身も学び、成長していく「己育て」を提唱しています。
子どもを育てることは、子どもだけを育てることではありません。
子どもと向き合いながら、大人も自分自身と向き合い、育っていく。
そして、育った人が、今度は誰かを育てる人になる。
親から子へ。
人から人へ。
家庭から地域へ。
そして社会へ。
私は、そんな循環をつくりたいと思っています。
今回の褒育者マルシェも、保育者へ感謝を届けるだけのイベントではありませんでした。
参加した人が誰かと出会い、自分の力に気づき、
「今度は自分もやってみたい」
と一歩踏み出す。
その一つひとつが、子どもたちが育つ環境そのものを、少しずつ変えていくのだと思います。
終了直後から、すでに「次はもっとこうしたい」という声が生まれています。
今回の経験を振り返りながら、次の開催へとつなげていきます。
ご来場くださったみなさま。
出店者のみなさま。
スポンサーのみなさま。
登壇者のみなさま。
運営・学生スタッフのみなさま。
会場スタッフのみなさま。
本当にありがとうございました。
すべての子どもが、「生まれてきてよかった」と思える社会へ。
そのために、子どもを支える大人にも、感謝と安心が届く社会をつくる。
これからも、人を育て、人が育ち、また次の人へと愛と安心がめぐっていく活動を続けていきます。

